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2018年1月25日 (木)

定期便

最初の出会いは、宮崎から越してこられたお客様と、それを受け付けた職員としてである。平成6年12月のことだった。
珍しい苗字が読めなくて、なんとお読みするのですかと尋ねたわたしに、体の大きい御仁はその体に似合った大きなはっきりした声で、
「美しく座ると書いてみざと読みます」とおっしゃった。
それから七か月後、人事異動で出向した先で、今度は同僚として再会した。

あれから二十余年。
いまはもっぱら口の悪い短歌仲間として、いまなお交流が続いているのだから、人生って、ほんと、わからんもんよね。

で、その美座氏。
わたしもすっかり歳をとったが、美座氏も同様に歳をとった。
わたしは美座氏の人となりにほれ込んでおり、この町の共有財産だと思っているほど。月に一度の歌会だけでは飽き足らず、週に一度の電話と月に一枚のはがきが定期便となっている。

先日、歌会の折に美座氏がこっそり見せてくれた「はがき」は、わたしが美座氏に充てたお叱りの「はがき」で、「はがき」にはわたしの文字で、こう書かれていた。
「先生の一番の欠点は、自分の年齢を自覚していないことと、自分の体力を過信しすぎること、そして下手に我慢強いところです」

美座氏がおっしゃった。
「俺もうすうす感じてたけど、ここまではっきり言われるとなんか妙にうれしくてねえ」

月に一度のはがきの定期便。
もうしばらく、激辛で行きますか。笑

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外気温マイナス2度

冬型の気圧配置が続き、厳しい寒さの続くちっご地方です。
今朝、五時半の外気温を示す温度計がマイナス2度を示していました。温暖な気候のちっご地方の外気温が零下の気温になることはそうそうありません。

今朝、親子ともども寝坊をしてしまった長女と孫。
朝の課外授業が始まるのが午前7時45分で、起きたのが7時だったとのこと。娘に乞われて、孫を学校まで送ることになり道路の凍結が危ぶまれましたが、外気温が低いわりには凍結もなく、スムーズに送り届けることができました。

冬型気圧はまだ当分つづきそう。
週末には、中学校時代の同級生との一泊旅行が控えています。家族はもとより、自分自身の体調管理にも心を配りましょう。

 今日の一首。
  亡き舅(ちち)が植えくれしふきのたうが立つ
                  外気温零下の畑の隅に



 

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2018年1月13日 (土)

光という言葉

暮れも押し迫ったある日、短歌仲間のおひとりから電話をいただいた。身内に不幸があったので、しばらく歌会を休ませていただきたいというお電話で、どなたが亡くなられたのか、軽い気持ちでお尋ねしたところ、お孫さんが亡くなられたのだとおっしゃった。想定していなかった返答にわたしは声が出ず、うろたえた声でお悔やみを申し上げるのがやっとであった。

その日の朝、新聞のお悔やみ欄に18歳の若ものの名前が載っていて、「事故でもあったのだろうか、こんなに若い男の子が亡くなって。かわいそうに」と、その若すぎる死を悼んだばかりであった。

わたしが若い男性と思ったのは、亡くなった方が「光」という一文字のお名前だったからである。お聞きしたら、お孫さんは、京都にひとり暮らす女子大生であったとのこと。家族と離れて暮らしているお孫さんが、亡くなる少し前に「気分が悪い」とご実家にお電話をなさって、それが最後の会話になられたらしい。
まだまだ、これから輝かしい未来が広がっていたはずの18歳。ご家族の無念さはいかばかりか。

今朝の新聞に来年度の歌会始のお題が報じられていた。
お題は「光」である。
「光」という一文字がこれほど哀しくてまぶしくて、もの悲しく感じられたことはない。

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2018年1月 8日 (月)

第42回芥火賞受賞作品

戦 中 戦 後 /前川志佳乃

 兵送り英霊迎えし村の駅いまは寂れし無人駅となる
 わが青春は戦争中にて父に代わり牛飼い鋤きにし乙女のわれが
 戦勝を祈りし産土の境内に文化財指定の親子獅子舞う
 征きしまま還らぬ君の自画像は誰見つめいむ若き遺影よ
 底ごもる招霊の声する慰霊祭顕ちくる御霊に瞑り祈りぬ
 畑を鋤き荷車曳きいし叔父の馬征きて帰らぬ「青」の幻
 農耕馬徴用されゆきたてがみを撫でて涙せし叔父を忘れず
 桜の花咲く下陰にひっそりと軍馬の碑あり雨に濡れおり
 兵たりし夫の命を繋ぎくれし凹める飯盒たいせつに保持す
 予告なく復員せし夫見しわれは夢かと思い幻かとも
 抑留を逃れ復員せし夫と六十年余を農に励みき
 生産者さえ米の供出強いられて「斗枡」に量られ見張られていし
 戦時中よりむしろ戦後は厳しかり食糧乏しく飢え凌ぎたり
 食糧難の時代乗り越え身に付きし節約意識今もわが持つ
 朝のドラマ戦中戦後の映像にわが青春を垣間見たりき
 田草取る人さえ襲いし艦載機のがれ生き来しわれらが世代
 愚痴言わずただ黙々と働きし舅にしたがい農の神髄学びき
 篤農家と呼ばれし舅も嘆きいむ米買うわれを如何に見たまう
 野良着のまま微睡む出作小屋へ祖母の作りしお握り運びき
 みどり濃きこの山越ゆれば若き日の記憶のままの古里あらむ

   ・・・・・・・・・・・やまなみ平成30年1月号から

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平成29年度やまなみ三賞決定

平成29年度やまなみ三賞が決まった。

やまなみ賞に、小郡の上田貴代さん。
芥火賞に高松の前川志佳乃さん。
新人賞には、福岡の山下翔さん。

高松の前川さんは、昭和三年生まれの八十九歳。
二度目の挑戦で受賞された。
高齢にもかかわらず挑戦されるその熱意が素晴らしいと思う。

三氏の作品を、今月号のやまなみから一首ずつ引く。

 行事ひとつ終へたる度の安堵なれ黄泉に近づく旅の道程/上田貴代

 異次元より迷い来しがに梟は翼広げて音なくとび立つ/前川志佳乃

 まとまつた金が入るといふことなし秋のほこりは吸つて息する/山下 翔

受賞されたみなさんに心からお祝いを申し上げたい。

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2018年1月 3日 (水)

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

   2018年 元旦

 「旅」という言葉ほど、人々の郷愁やロマンを誘う言葉はないのではないかと思う。旅情、旅装束、ひとり旅、ふたり旅、旅先、旅客機、船旅・・・・。

ああ、旅に出たい。

ともに六十代の夫婦にとって、残された時間は決して多くない。ましてや、元気に自分の脚力を以て旅に出ることができる時間はさらに短い。そのことに気づいて以来、わたしたち夫婦の旅ごころは募るばかりだ。

 末筆ながら、この新しい年がみなさまにとって、よきことの多い一年でありますように。

 

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